ゴルフ場のグリーンから発想は始まり、葺き替えた瓦を再利用したサステナビリティなリボサンド。住宅の外構・ビル屋上緑化などあらゆるシーンで環境緑化に貢献させて頂いております。
多用途展開のためリボサンドの含水量について調べます。含水量とは、リボサンド粒子の周りに付着する水とリボサンド粒子の内部に侵入する水の合計とします。まずは、両方の水の総量を、水分計を用いて調べます。
各種大きさのリボサンドを水(脱イオン水)に浸漬し、リボサンド中に存在する気孔(open pre)に水を導入します。3 日室温で静置後、湿潤したリボサンドをふるいの上に移動し、余剰な水を取り除きました。上記処理により、リボサンドが保水できない水分が、ふるいの下から排出されます。得られたリボサンド湿潤体を、赤外線水分計(MOC-120H) を用いて、水分率を測定し、含水量を評価しました。
リボサンドは、瓦を粉砕して得られることから、多孔質です。リボサンドの含水量は、粒子径が小さくなるに従い高い値を示しました。粒子径の大きなリボサンド3525の含水量は、約25%でした。リボサンド前駆体である瓦の破片を分析した結果、平均気孔率が22.1% 、吸水率11.1%でした。含水させたリボサンド3525の水の1/3が気孔内部に、2/3が粒子表面に存在することが分かりました。リボサンド3525は、材料中に存在する気孔により、緻密質な材料と比較して、約1.5倍大きな含水量を示すことが分かりました。以上のことから、リボサンドは他の緻密な材料と比較して、水分を保持できる能力が高く、水分の保持が求められる外構の用途に適した材料と考えられます。
リボサンド、天然砂の2種類を用いて実際に芝生を育成した比較写真です。 植え付け後1年後のデータですが、リボサンドのほうが大きく根が発達し、青々とした芝生が生えているのがわかります。
本来グリーンに使用されている芝は、高温多湿に耐え日本の気候に適している種ですが、近年の猛暑では深刻なダメージを受け、芝生が枯れてしまうというゴルフ場も見受けられました。 リボサンドが持つ高い排水性と保水性は、地中の水分を保ち、温度を下げる効果が得られますので、猛暑の影響を受けにくく、健康な芝を育成することが出来ます。
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リボサンド、天然砂の2種類の試験で透水試験、保水性試験、粒度試験を行いました。リボサンドの排水能力は天然砂と同等以上であり、更に保水能力も天然砂の1.5倍の能力があることが判明しました。 滋賀県立大学 岩間准教授より